第16回 曠の会

第16回曠の会が12月16日に紀尾井小ホールで行われました。 

「曠の会」は男性の山田流演奏家と尺八演奏家の演奏会です。 

お箏というとお着物を着た女性が演奏しているのをすぐに思い浮かべられるかと思います。

特にお正月の時期は各ホテル等でそのような光景がよくみられたと思います。 

実際には箏曲は男性演奏家も多く、山田流の元である山田検校氏は男性です。

 男性だけの演奏はきっと皆さんが見慣れている光景や音とは世界が違うかもしれません。

ぜひ、次回の「曠の会」に足をお運びください。

<第一部> 

♣祝ひ歌 二世山登検校作曲 現在、活躍なさっている先生方の演奏を拝聴出来ることが、この会の魅力の1つでもありますが、この曲は先生方お一人お一人に歌いどころがあり、とても豪華で贅沢な舞台でした。

 ♣花の雲 三世山勢松韻作曲 この曲は演奏会で演奏される機会は少ないのではないでしょうか。他では聴くことの出来ない曲に出会えるのもこの会の魅力でもあります。 山登師のお三絃がとても魅力的でした。

 ♣新道成寺 二世杵屋長五郎、芳沢金七作曲 この曲は紀州道成寺に伝わる『安珍と清姫伝説』をもとにした能の『道成寺』の詞章の一部を歌詞としています。これを題材に地歌『新娘道成寺』、長唄『京鹿子新娘道成寺』『紀州道成寺』など様々な『道成寺もの』と呼ばれる作品が作られています。 

♣小督曲 山田検校作曲 この曲は奥四曲の1つで山田検校の代表とする作品の1つです。 萩岡師の美声、鈴木師の風情のある歌声、三古谷師のキレのあるお三絃、全てが合わさりとても素敵な舞台でした。 

 <第二部> 

♣松風 三世山木大賀、初世中能島松声作曲 山登師の品格をも兼ね備えた美声が存分に発揮されていた一曲でした。曲中誰もが山登師の美声に聞き惚れたことでしょう。  

♣須磨の嵐 山登萬和作曲 この曲は素敵な合いの手があり、歌の聞きどころもたくさんあり、聴いていて楽しい曲ですが、殊更に聴いていて楽しい一曲でした。 合いの手のお三絃の見せ所も素晴らしかったです。  

♣編曲 吾妻の曲 この曲は尺八曲で、今回は前奏と琴古流の本手に対する新たな替手と長管を加えた三部合奏として編曲されていました。低音と高音がとても綺麗に合わさっていて素敵な曲でした。 

♣熊野 山田検校作曲 この曲も小督曲と同様に奥四曲のうちの1つで山田検校の代表作の、1つです。 能『熊野』のクセ以下の部分を歌詞としてほぼそのまま使用しています。 萩岡師、山登師、鈴木師と随一の美声をもつお三方による演奏で、目の保養の所を「眼福」ということになぞらえますと「耳福」に限る演奏であったと思います。 


2017年 1月の演奏会 ♦長唄・三曲の会(国立劇場) 詳細はこちら⇒http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2016/11043.html?lan=j

 ♦地歌・箏曲と平家(紀尾井町小ホール) 詳細はこちら⇒http://www.kioi-hall.or.jp/category/concert/s_kioihall?ky=2017&km=1&button=%E9%81%B8%E6%8A%9E#   

Galajapon

「Galaじゃぽん」はガラパゴス日本の略。 古きよき文化を追求して新しいものを創ることがGalaじゃぽんの最大のテーマです。